命短し恋せよ乙女とはいえども、なーんかね。僕ら世代は、戦中派から、戦時体験を聴いていて育っていて、好むと好まざると勤労動員された伯母さん、疎開した先で、芋の茎を食べて飢えをしのいだ女学校時代の母、機銃掃射のなかを逃げまどった父などなど。切羽詰まった生き死にの現場にいた人のホットワードを子守歌代わりに聴いていた僕ら世代(1970年代世代)は、こういった作品にあるような、お人好しの美人が死ぬ話が、実感として理解できないのです。
ヨルシカさんが歌いました。花の散り際に値段が付くのも嫌になりました……ってね。
作品としては美しいかも知れないけど、実際の轢死体なんか、実際の飛び降り自殺の死体なんか、見れたもんじゃないですよ。生きたくても生きられない人だって山のようにいるんだ。
これね、まあ、いじめに遭って死ぬ話なんですよ。高校生ぐらいですかね。こういうのが受け入れられるんだ。暗さを笑い飛ばすのではなく、暗さに暗さを重ねるような……少し考えられなくて、読み進められませんでした。基本的に、どんなに絶望的な観測をしていても、基本的に楽天家なので、そんな僕は、よく自殺しなかったなと感心しています。自分で自分を。
いじめはあかんでえ。自殺は命が勿体ない。決して美談じゃない。ただの玉砕だ。やめときなさい。
【追記】要は、インスタントに5分程度に人の不幸が味わえれば、人間関係の嫌な部分が読めればそれでいいのか。と思ったね。
田所稲造 拝
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